2017年、テニス界に特別な時間がおとずれています。
2016年は「テニス史上最強フェデラー」と「赤土の王者ナダル」が怪我に苦しみ、ビッグ4が君臨していたテニス界のバランスが崩れ、ジョコビッチとマレーの2強となっていました。
ATPワールドツアー開幕時には誰もがビッグ4の時代が終わり、世代交代始まると予想していました。そして戦国時代に突入していくと。
しかし現実は、全豪オープンから始まったフェデラーがハードコート大会の表彰台を独占。そして11年振りのサンシャインダブル達成。
ナダルは、ハードコートではフェデラー以外には無敗。クレーコートではイタリア国際テニスの準決勝以外は全て勝利と、こちらも表彰台を独占し、全仏オープンを迎えています。
その反面、ジョコビッチとマレーは共に不調が続き、マスターズ以上の大会での優勝はありません。
本記事では、
- 2016年までのテニス界の現状
- フェデラー・ナダルの復活
- ビッグ4の時代に変化
- 新しい時代をつくる世代交代
について詳しく解説しています。
2016年までのテニス界の現状
引用|https://tt.tennis-warehouse.com
2017年は、プロテニス界の時代の世代交代に当たる戦国時代に突入すると考えられます。もうすでに何が起きてもおかしくない状況です。
まずは近年のグランドスラム優勝者の一覧を見て頂きたい。
※スマホ表示の場合は左右にスライドします。
年 | 全豪オープン | 全仏オープン | ウィンブルドン | 全米オープン |
---|---|---|---|---|
2003 | アンドレ・アガシ | フアン・カルロス・フェレーロ | ロジャー・フェデラー | アンディ・ロディック |
2004 | ロジャー・フェデラー | ガストン・ガウディオ | ロジャー・フェデラー | ロジャー・フェデラー |
2005 | マラト・サフィン | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー | ロジャー・フェデラー |
2006 | ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー | ロジャー・フェデラー |
2007 | ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー | ロジャー・フェデラー |
2008 | ノバク・ジョコビッチ | ラファエル・ナダル | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー |
2009 | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー | ロジャー・フェデラー |
フアン・マルティン ・デル・ポトロ |
2010 | ロジャー・フェデラー | ラファエル・ナダル | ラファエル・ナダル | ラファエル・ナダル |
2011 | ノバク・ジョコビッチ | ラファエル・ナダル | ノバク・ジョコビッチ | ノバク・ジョコビッチ |
2012 | ノバク・ジョコビッチ | ラファエル・ナダル | ロジャー・フェデラー | アンディ・マリー |
2013 | ノバク・ジョコビッチ | ラファエル・ナダル | アンディ・マリー | ラファエル・ナダル |
2014 | スタン・ワウリンカ | ラファエル・ナダル | ノバク・ジョコビッチ | マリン・チリッチ |
2015 | ノバク・ジョコビッチ | スタン・ワウリンカ | ノバク・ジョコビッチ | ノバク・ジョコビッチ |
2016 | ノバク・ジョコビッチ | ノバク・ジョコビッチ | アンディ・マリー | スタン・ワウリンカ |
引用|https://ja.wikipedia.org/wiki/グランドスラム男子シングルス優勝者一覧
誰が見ても2004年から2010年はフェデラー・ナダルの2強時代と解ります。
フェデラーの伝説は2003年のグランドスラム初優勝から始まり、グランドスラム歴代最多優勝回数17回を記録。間違いなくテニス史上最強の男です。
そして2011年からはジョコビッチ・マリーの優勝の機会が増え、この表彰台を独占する4人の総称として「ビッグ4」と呼ばれるようになりました。
ビッグ4は他の選手とは頭一つ抜けており、ランキングトップ10の選手であっても5回戦って1回勝てるかどうかというくらい勝率が高いです。
ナダルはクレーコートで驚異的な強さを誇り、5連覇を含む9度の優勝を達成しています。2017年の全仏オープンでは、グランドスラム10回優勝という偉業達成が目標です。
2015年にはワウリンカ。2016年にはジョコビッチが全仏オープンを優勝。念願のグランドスラム達成の偉業を成し遂げています。
ワウリンカ・チリッチは、この時代にグランドスラムを優勝する事ができたが選手です。しかしワウリンカ自身も言っている通り、彼らの時代がきたと考えることはできない。
今までは間違いなくジョコビッチ・マリーの時代でした。
そして2017年、先の時代のフェデラー・ナダルが再び、2強時代を形成しています。
テニス史上最強|フェデラーの時代が終わる
そんな時代もついに変革が始まった。
2016年の世界ランキングTOP10にロジャー・フェデラーの名前は無くナダルも9位でした。2人は故障でシーズンを満足に戦えなかったのです。
フェデラーは、2016年に初めて長期間ツアーを離れた。2月に膝を手術し2カ月後に復帰するも、ウィンブルドンを最後に、残り全ての大会出場を見合わせている。
赤土の王者であるナダルは、その赤土の全仏オープンのコートで手首を故障して途中離脱。10月からはシーズンを切り上げた。
フェデラーは現役続行を表明しているが、1981年生まれのフェデラーは35歳。20代後半の選手が多いTOP10では衰えを感じずには入れない。何よりフェデラーのキャリアは怪我とは無縁だったのだから。
テニス史上最強の男の時代が終わり、新しい時代が始まろうとしているのです。
ロジャーの時代が終わるって、ワンピースみたいです!笑 2017年は大海賊時代の始まりと一緒です!笑
実際に復活したフェデラーは全盛期を彷彿させるほどの強さを誇り、全豪オープンで錦織圭にも勝ち世界中を驚かせました。
しかし全盛期よりはパフォーマンスが落ち、今後も35歳という年齢を考えれば下降していくことが予測されます。
新しい時代をつくる世代交代
引用|https://sportiva.shueisha.co.jp
ビッグ4からフェデラーが衰退すれば新しい時代が始まる。
ナダルも怪我の状況次第ではどうなるか解らない。そもそもグランドスラムの優勝からは2年間遠ざかっています。
ラオニッチ・錦織圭・ティエム、この3人が今後のテニス界に世代交代を起こす事になるかもしれません!
選手名の隣は、最新の世界ランキングの順位が記載されています(2017年1月22n)
錦織圭
3年連続で世界ランキングベスト10入りし、ツアーファイナルにも出場。
2016年は自身2度目となる、世界ランキング5位と日本人最高位で終了しました。
本人もファイナルに出場について、
「当たり前のように感じてますね。どこまで上に行くかが大きな目標になってきます」
と発言し、2017シーズンについては、
「4位、3位に入っていける実力はある」
と自信を見せています。
彼に足りないのはグランドスラムの優勝。つまりジョコビッチ・マリーに勝つことです。
まずは全豪オープンテニス。グランドスラムを一つでも優勝すれば2000ポイント。3位までの道は見えてきます。
2017シーズンは錦織圭のさらなる発展に期待です!
ミロシュ・ラオニッチ
2017年は怪我に苦しみ不調が続くラオニッチ。芝のシーズンではビックサーバーの本領が発揮されるため、注目の的になるでしょう。
自身最高位の3位。彼のプレーを見ていれば、フェデラーナダルがいなかったから3位ではなく、ラオニッチが強くなったから3位である、という事は間違いないでしょう。
若手の中では、今一番調子を上げている選手です。
ドミニク・ティエム
オーストリア出身の23歳でトップ10最年少の選手です。
フェデラー、ナダルから計3勝を上げる活躍で、2015年の18位から、2016年は自身最高位の7位に昇りつめました。
次の世代のポスト・ジョコビッチは彼なのかもしれません。
錦織圭とは、全豪オープンテニスの前哨戦と言われるブリスベン国際で、ダブルスを組んでいます!
ブリスベン国際の詳細は、【2017】ブリスベン国際のテレビ放送一覧とネット中継(無料)で見る方法をご確認ください。
ニック・キリオス
オーストラリア出身の1995年生まれ21歳。才能に溢れるが故に言動や行動が過激になり、しばし問題視される事があるが、ズベレフ同様テニス界を牽引する可能性が高い選手。
肘を鋭く張り繰り出す、強烈なフォアハンドが特徴的。
地元オーストラリア開催のグランドスラム『全豪オープン』での地元選手優勝が期待されます。
アレキサンダー・ズベレフ
将来のテニス界を背負うことになるかもしれない20歳のドイツ人。非常に注目の選手です。
イタリア国際(マスターズ)に20歳という若さで優勝。ジョコビッチに次ぐ、マスターズ年少記録を達成しました。
2017年の全豪オープン3回戦では、キレキレのナダル相手に、フルセットで4時間の戦いを見せました。
結果としては負けてしまいましたが、世界に「アレキサンダー・ズベレフ」という選手の存在をアピールするには十分な試合でした。
実際に、ナダルから「将来世界1位になる可能性を秘めた選手」言われるほどです。
198㎝の長身から繰り出される210㎞を超えるサーブや、スピンサーブの完成度の高さ。
フラットショットの質の高さなど、19歳とは思えない実力で、1、2年以内にランキングトップ10に入ってくる事になるでしょう。
ミーシャ・ズベレフは実の兄です。
ジョコビッチの変化
ジョコビッチは2016シーズンは世界ランキング2位に終わりました。
現行のコーチ契約は解消。瞑想などのトレーニングを重んじる、宗教じみたスペイン人コーチと急接近中です。
絶対的王者として君臨しつつけたジョコビッチの衰退は話題になっています。
しかし、これが2017年のテニスをさらに面白くする要素なのかもしれません。
実際に私は2016年で1番印象に残った試合の1つは、全米オープン決勝のジョコビッチVSワウリンカです。
ワウリンカが3度目のグランドスラム優勝を逆転でおさめました。あの感動も相手がジョコビッチだったからこそです。
では、ジョコビッチとマリーの両選手が10回対戦したら、どちらが勝ち越すと思いますか?
大多数の人がジョコビッチが勝ちこす、もしくはどちらとも言えないと考えるのではないでしょうか?
つまり、ジョコビッチは年齢的にも30歳。衰えたとは考えにくいという事です。
そこで伝説のテニス選手、フェデラーの見解をご紹介します。
ラファ(ナダル)や僕が味わったことをジョコビッチも今、体験しているんだよ。それが何かというと、グランドスラムで最後の一つに優勝、完全制覇してから次の新たなステージに入る苦しみだ。
この心理状態がどれだけ続くかは人それぞれ。全仏はジョコビッチにとってまさに最後の一段だったんだ。でも彼のプレーのクオリティは相変わらず高いままだし、このまま続けていけばさらに大きな成功をもたらすはず。
グランドスラム達成はどのテニス選手にとっても夢です。
夢を叶えた後の心理状態は、我々一般人には理解することは難しいですが、実際に同じ経験をした、フェデラーが大丈夫というなら大丈夫でしょう。
2017年もジョコビッチの強さは健在です!全豪オープン以降の大会に期待しましょう!
ロジャー・フェデラー引退後を予想!?
引用|http://www.afpbb.com/articles/-/3105024
2016年の長期離脱の際のインタビューで、フェッデラーは自身の引退についてはまだ数年先になるとコメントしています。
2017・2018年は現役続行!それ以降になる可能性が高いですが、フェデラーの引退後を予想してみました。
コーチなど選手への指導者の道は?
テニスをする人なら知らない人はいない伝説のテニスプレイヤーこと『ロジャー・フェデラー』。
彼には指揮官・指導者として一個人やチームに対するものではなく、テニス界全体の発展に貢献していってほしいと考えます。
良い選手=良い指揮官という法則は、近年どのスポーツも戦術の複雑化により当てはまらなくなっている。
世界で1番競技人口が多いと言われるサッカーですら、世界最高の監督のとして、最多のUEFAチーム・オブ・ザ・イヤーに4度選ばれているのは、プロ経験がほとんどないジョゼ・モウリーニョ監督である。
フェデラーの指導者としての才能を否定するわけではないが、フェデラー程の選手であれば、彼にしか出来ないことが沢山あるはずです。
教育の道は?
個人的には、ナダルのようにテニスアカデミーを開校するなど、テニスの未来に貢献してほしいと考えます。
フェデラーは、自国のスイスでは雨が多い気候であり、ナダル(スペイン)のようにはいかないと言いました。
スイスがダメでも、欧州諸国はもちろん南アメリカ、アフリカなどにテニス発展途上国に開校して、テニスの文化を発展させ、今までは埋もれてしまっていた才能を開花させてほしいと思います。
フェデラーは選手としても伝説の人間だが、選手生活が終わった際にどのような形でテニスに関わるか注目です。
まとめ
2017年の ATPワールドツアー・グランドスラムは戦国時代となり、世代交代がかかった大事なシーズンになるでしょう。
錦織圭が、日本人初のグランドスラム優勝を果たしてくれることに期待です。
そして世代交代に勝ち抜き、錦織圭が入った新たなビッグ4誕生を待ち望んでいます。
スポナビライブを使えば、ATPワールドツアー(9大会中8大会)・グランドスラム(全大会)を生中継で放送します。
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